がん患者さんがかかえる痛みについて解説します。
こんにちは。病院薬剤師のMoKaです。
がんの痛みって1つじゃないの?
いえいえ、がん患者さんがかかえる痛みにはたくさん種類があるんです。
そんながん患者さんがかかえる痛みについて簡単にまとめていきます。
痛みとは
痛みとは、「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、もしくはそれに似た感覚かつ情動の不快な体験」と定義されます。
いまいち何を言いたいのか分からないですね。
分かりやすく言うと、身体のどこかが何らかのダメージを受けた結果起こる反応です。
みなさんこれまでに何度も痛みを経験していると思います。
転んだ時の痛みや食べ過ぎてしまった時のお腹の痛みなど多くの人が痛みを経験しています。
痛みは身体がダメージを受けたよ、修復しなくては、という身体への大切な信号です。
ですが、いつまでも痛みが続くと眠れなかったり食事が摂れなかったり、気持ちがふさぎこんでしまったりと日常生活に悪影響を及ぼします。
がん患者が体験する痛み
がん患者さんが体験する痛みには、①がん自体による痛み、②がん治療による痛み、③がん・がん治療と関連のない痛みがあります。
①がん自体による痛み
がん自体による痛みは腫瘍の位置や浸潤、転移部位、また発生部位によって特徴的な痛みが出現します。
がん患者さんにおける痛みの原因や病態はさまざまですが、がん疼痛症候群として細かく分類されています。
例として、骨転移症候群や内臓痛症候群、がんの神経浸潤などがあります。
②がん治療による痛み
がん患者さんはがんに対してさまざまな治療を行う場合があります。
治療としては手術や抗がん薬・放射線治療などを行いますが、その際や治療後に痛みが出現することもあります。
手術が原因で出現する痛みには術後疼痛症候群といわれます。
乳房切除後疼痛症候群や広範囲頸部切除後疼痛、開胸術後痛などがあり、手術の種類や部位によって痛みが変わってきます。
抗がん薬治療による痛みには化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛があります。
使用する抗がん薬の種類によって神経の障害部位が異なり、痛みの特徴にも違いが出てきます。
放射線治療による痛みは、放射線照射後疼痛症候群といわれ、さまざまな痛みが出現します。
放射線治療の数ヶ月から数年後に出現するため、がんの再発との鑑別が必要です。
③がん・がん治療と直接関連のない痛み
帯状疱疹後神経痛や筋筋膜性疼痛などあり、がんやがん治療による痛みとは区別して考える必要があります。
まとめ
がん疼痛についていかがだったでしょうか。
がんによる痛みだけではないので、しっかりとした鑑別が必要です。
次は痛みの種類やパターンについてまとめる予定です。
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