こんにちは!病院薬剤師のMoKaです。
皆さん、抗がん薬の副作用と聞くと不安になりませんか?
特に「骨髄抑制」という言葉は難しそうで怖く感じるかもしれません。
でも、大丈夫!
私、現役薬剤師が人気アニメ「はたらく細胞」のキャラクターと一緒に、分かりやすく解説します。
「はたらく細胞」は、赤血球や白血球などの細胞が擬人化したアニメで、子どもから大人まで楽しめるかつ勉強になるアニメです。
2024年12月13日には永野芽郁さんと佐藤健さんのW主演で映画が公開される予定です。
そんな超人気アニメ「はたらく細胞」のキャラクターを使い、骨髄抑制について分かりやすく解説していきます。
からだの中で今、何が起きているのか?
副作用の正体を、楽しく、そして正確に学んでいきましょう。
この記事を読めば、抗がん薬治療への不安が少し和らぐはずです。
「はたらく細胞」はどんなアニメ?
アニメ「はたらく細胞」は、体の中で働いている細胞を擬人化し、どのような働きをしているのかなどの仕組みについて楽しく学べるアニメです。
子どもはもちろん大人が見ても楽しめる内容で、また医学を学び始めた人にもアニメを見て知識が身についているような気になります。
2024年12月13日には映画が公開される予定で、大人気アニメとなっています。
映画では永野芽郁=赤血球、佐藤健=白血球(好中球)、マイカ・ピュ=血小板というキャラクター設定です。
画像は映画『はたらく細胞』公式サイトから引用
骨髄抑制(こつずいよくせい)はどうして起こるのか?
骨髄抑制はがんの治療やがんそのものの影響によって、骨髄の働きが低下し、血液細胞を正常につくれなくなった状態をいいます。
抗がん薬の副作用の1つに骨髄抑制があります。
抗がん薬はがん細胞など体に悪い細胞を攻撃しますが、同時に正常な細胞も攻撃してしまいます。
その正常な細胞の1つに骨髄があります。
抗がん薬が骨髄を攻撃することで、赤血球や白血球、血小板が作られなくなります。
これが骨髄抑制です。
抗がん薬による骨髄抑制をキャラクターで説明
では、骨髄抑制が起こると、どのようになるのかを「はたらく細胞」のキャラクターを使い解説していきます。
*分かりやすくするために、医学的には少し正しくないこともありますがご了承ください。
骨髄(会議室とします)に永野さん、佐藤さん、マイカちゃんが集まっていますが、そこへ抗がん薬が登場します。
抗がん薬が会議室に入ってくると、3人のキャラクターは一斉に動揺します。
抗がん薬には細胞分裂を止める作用があるため、会議室で活発に増殖している永野さん、佐藤さん、マイカちゃんの生産が大幅に減少してしまいます。
佐藤さんは「僕たちの仲間が激減!」と悲鳴をあげます。白血球が減少すると、感染症と戦う力が弱まってしまいます。
白血球は、血液1μL中、4,000~9,000個程度あり、体内に侵入してきた細菌、ウイルス、有害物などを取り込んで食べてしまい(貪食作用という)、私たちのからだを病気から守ってくれる重要な働きをしています。
日本血液製剤協会HPより引用
永野さんは「酸素運搬能力が落ちちゃう!」とため息をつきます。赤血球が減少すると、体中に十分な酸素を届けられなくなるのです。
赤血球は、細胞成分のうちで圧倒的に多い(約96%を占める)血球成分です。その数は血液1μL中、男子で約500万個、女子で約450万個あり、そこに含まれるヘモグロビンが、からだの各組織に酸素を送り届けるとともに、各組織でできた炭酸ガスを肺に持ち帰る働きをします。貧血は、主にこのヘモグロビンが減少するために起こる病気です。
日本血液製剤協会HPより引用
マイカちゃんは「出血のリスクが高まっちゃう!」と震えています。血小板が減少すると、怪我をした時の止血が困難になるためです。
血小板は、血液1μL中およそ15万~40万個あります。血小板の大事な役割は、出血を抑える作用(止血)です。
日本血液製剤協会HPより引用
まとめ
今回は骨髄抑制について、アニメ「はたらく細胞」のキャラクターを使い解説しました。
記事を読んでいただき、骨髄抑制についてご理解いただけたでしょうか?
患者さんが安心してがん治療を行えるように強く願っております。
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