こんにちは!病院薬剤師のMoKaです。
先日、ED治療薬をOTC薬として販売することを検討しているというニュースがありました。
「ED治療薬ってどんな薬だろう?」「何か注意しないといけないことはないのかな?」
などと心配される人もいるかもしれせん。
そこで、今回はED治療薬のPDE5阻害薬について解説します。
勃起不全(ED)とは?
勃起不全(ED:erectile dysfunction)とは、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態のことです。
原因はさまざまですが、血管性、神経性、内分泌性などの勃起機能障害による器質性EDと、勃起機能そのものは正常なのに心因的要因によって勃起障害を示す心因性ED、その両方を伴う混合性EDに分類されます。
EDの治療はPDE5阻害薬が用いられます。
PDE5阻害薬とは?
PDE5阻害薬はどんな薬か?
その前にPDE5について説明します。
PDE5(phosphodiesterase5:ホスホジエステラーゼ5)は陰茎海綿体に豊富に存在し、cGMPを分解して陰茎海綿体平滑筋を収縮(=勃起を阻害・消退)させます。
PDE5が多いと勃起しないということです。
それじゃあ、PDE5を少なくすると勃起障害が治るのではと開発されたのがPDE5阻害薬です。
PDE5阻害薬はPDE5の作用を阻害し陰茎海綿体平滑筋細胞内のcGMP濃度を高め、勃起機能が改善します。
これが、PDE5阻害薬がED治療薬として使用される理由です。
PDE5阻害薬の注意点は?
PDE5阻害薬を使用するときの注意点です。
それは、硝酸薬を使用している人はPDE5阻害薬を使用することができません。
理由は、血圧が下がりすぎてショックを引き起こす危険性があるからです。
硝酸薬は、狭心症や心筋梗塞、急性心不全に使用される薬で、一酸化窒素(NO)を遊離することで血管を拡張させる作用があります。NOは血管平滑筋細胞内で可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化させ、cGMPの生成を増加させます。PDE5阻害薬も機序は違いますが、cGMPを増やす薬でしたね。ということは硝酸薬とPDE5阻害薬を一緒に用いると、cGMPが増えすぎて血管が拡張しすぎてしまいます。
そのため、硝酸薬とPDE5阻害薬は併用することで、血圧が下がりすぎてショックを起こす危険性があるため併用禁忌となっています。
(硝酸薬以外にも併用禁忌·注意の薬はあります)
まとめ
今回はED治療薬である、PDE5阻害薬について解説しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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