こんにちは!病棟薬剤師のMoKaです。
ある日、
クーデックエイミーPCAを使いたい患者さんがいます!
看護師さんから突然言われました。
その患者さんについて詳しく話を聞くと、たしかにクーデックエイミーPCAを使えば自宅で過ごしやすいのではと自分も思いました。
しかし、問題が・・・
自分はクーデックエイミーPCAについての存在自体や便利そうであることくらいは知っていたのですが、使用したこともなく、使用方法についても詳しくは知りませんでした。
ですのでクーデックエイミーPCAについて徹底的に調べ、いろいろな人の協力のおかげで無事に導入することができました。
それらの経験を踏まえて、今回はこれからクーデックエイミーPCAを導入しようとしている人のために記事を書くことにしました。
クーデックエイミーPCAとは?〜痛み管理の強い味方〜
クーデックエイミーPCAについて解説します。
PCAとは?
PCA = Patient Controlled Analgesiaの略で、日本語では「患者自己調節鎮痛法」という意味です。
その名の通り、患者さん自身が必要に応じて痛み止めを投与できる医療機器です。PCAが存在する前は医療者が定期的に、または患者さんが痛みを感じたときに鎮痛薬を投与していましたが、PCAでは患者さん自身が痛みを感じたときに、安全な範囲内で自分で鎮痛薬を投与することができます。実臨床では術後の痛みの管理や緩和医療でよく使用されています。
クーデックエイミーPCAの特徴
このPCAの最大の特徴は、安全性と使いやすさです。
安全性
- ロックアウトタイム、つまり次の投与までの時間設定ができます
- 1時間当たりの投与量上限が設定できます
- 投与履歴が確認できます
使いやすさ
- コンパクトで軽量です
- カラー液晶画面で視認性が良いです
- PCAスイッチがワイヤレスです
クーデックエイミーPCA導入の流れ
実際に自分がクーデックエイミーPCA導入に関わったときの流れです。
- クーデックエイミーPCAの確保
- 保険薬局との情報共有
- 薬液バッグの準備
現在、クーデックエイミーPCAを使用できる保険薬局は多いとは言えないです。なので、まずクーデックエイミーPCAの取り扱いがあるかどうかを保険薬局に確認してください。
クーデックエイミーPCAを使用できることが分かれば、患者さんについての情報や使用薬剤などについて保険薬局の薬剤師と共有しましょう。使用する薬剤名や量などは薬剤の在庫を確保しないといけないため早めに伝えるようにしましょう。他には開始予定の日時や流量、レスキュー量、ロックアウトタイムなどの情報を伝えることも大切です。
薬液バッグ(MPユニットといいます)はクーデックエイミーPCAの本体などとは別売りなため、確保する必要があります。自分は保険薬局が準備すると思っていたのですが、今回は病院側で準備するように保健薬局側から指示がありましたので準備しました。場合によっては、時間がかかることもあるため早めに確認しましょう。
クーデックエイミーPCA導入したときに出てきた疑問3選
ここから、自分がクーデックエイミーPCAを使った時に分かった疑問を3つを紹介します。
疑問① 院外処方せんに注射オーダーができるか
1つ目の疑問は院外処方せんに注射薬が処方できるかです。
本当に初歩的なことなのですが、自分が働いている施設のオーダリングシステム上、使おう考えていたオピオイドの注射が院外処方せんで入力できませんでした。通常、インスリンや生物学的製剤のような自己注射可能な注射を除けば、注射薬を処方せんで入力することはないです。処方入力できないことが処方当日に分かったためめちゃくちゃ焦りました。その時は上司や医事課部門の人たちのおかげで処方できるようにしてもらい、なんとか事なきを得ました。ですので、処方しようと考えている注射薬が処方できるかの確認はしておきましょう。
疑問② 薬液バッグ(MPユニット)について
2つ目の疑問は薬液バッグ(MPユニット)についてです。
最初、薬液バッグはクーデックエイミーPCAをお借りする保険薬局が準備するものと思っていました。ですが、保険薬局側から「薬液バッグは病棟負担です」と言われました。実際のところ誰が準備するのが正解なのか分かりませんでしたが、今回は自分の施設が準備することにしました。ただ、薬液バッグの納品も近隣でクーデックエイミーPCAがよく使われていればすぐに入荷するかもしれませんが、あまり使われていない地域では入荷が遅くなる可能性があります。ですので、薬液バッグは誰が準備するのか?入荷するのにどれくらいの時間が必要なのか?をしっかり確認しましょう。
疑問③ 入浴は可能か
3つ目の疑問は入浴は可能かです。
結論からいうと、入浴は難しいでしょう。クーデックエイミーPCAは本体が小さく、持ったまま移動も可能ですが入浴は難しいと考えます。濡れないようにカバーをすると可能かもしれませんが、患者さんのADLなどからは現実的ではないです。ですので、入浴ではなく清拭などで清潔にするようにしましょう。
まとめ
今回はクーデックエイミーPCAについてや導入時に分かった疑問を解説しました。
クーデックエイミーPCAを用いることで、自宅でも病院にいるときと同じようにオピオイドなどの持続注射が可能となります。それにより患者さんの治療の選択肢が広がり、自宅で療養することへのハードルが下がります。少しでも患者さんが安心して過ごせるように、クーデックエイミーPCAを検討してみてください。そして、もし導入する場合は、この記事に書いている疑問を参考にしてみてください。
最後までお読みくださってありがとうございました。
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