ホスピス見学を終えて

緩和ケア

こんにちは!!薬剤師のMoKaです。

先日、緩和ケア(ホスピス)病棟の見学に行ってまいりました。

見学に行った率直な感想をいうと・・・・・

めちゃくちゃ充実した見学でした。

可能であればもっともっと見学した病院のスタッフとディスカッションしたかったです。

見学させていただいた病院のスタッフの皆様、ありがとうございました(絶対、このブログ見てない)。

今回の記事ではホスピス見学で学んだことや感じたことを書いていきます。

緩和ケアに携わりたいという医療職の方は是非、最後までご覧ください。

そもそも、ホスピスとはどういう意味でしょうか?

ホスピスの歴史は、「初期ホスピス」「現代ホスピス」という2つの時期に分けられるそうです。

現代ホスピスは1967年、シシリー・ソンダースによりロンドンに設立されたセントクリストファー・ホスピスに始まりました。今日、広く知られているホスピスの概念の基礎はセントクリストファー・ホスピスでつくられました。

ホスピスの概念とは、人間の死の過程に必要とされるさまざまなケアのプログラム、すなわち人の死の過程で必要とされるケアを統合した活動全体であり、同時に地域社会におけるケアの提供場所も意味しています。また、人が人生を終える時期に関する宗教的ではない全人的な思考、すなわち人間科学的アプローチに基づく思想ともいえます。

簡単にいうと、終末期の患者さんが苦痛や不安を和らげて穏やかに過ごすことを目的としています。

ホスピスでは病気の診断や治療は行わず、痛みや精神的な悩みなどを緩和する治療やケアを行います。

また、医師や看護師だけでなく、心理士やチャップレン、ボランティアなどの多職種が連携してサポートします。

見学した病院では疼痛コントロールのkey drugはモルヒネでした。

オピオイド鎮痛薬の1つで古くから使用されていますが、他のオピオイド鎮痛薬が登場したためモルヒネを使用する場面は減っているような印象を持っていましたので、少し驚きでした。

モルヒネはアヘンの主要な薬理活性成分で、痛みに対して使用する他にも、呼吸困難や咳嗽に対しても使用されるため緩和ケアにおいて重要な薬ではあります。

ですが、モルヒネ腎機能が低下している患者さんには使用が推奨されていないという欠点があります

その理由は、活性のある代謝物が体内に蓄積してしまうからです。
モルヒネは肝臓で代謝され10~15%くらいはモルヒネー6-グルクロニド(M6G)になります。
M6Gは鎮痛活性がある一方で、副作用(悪心・嘔吐、眠気、呼吸抑制など)の原因になります。
M6Gは尿中から排泄されるのですが、腎機能が低下している患者さんでは尿中から排泄されず、体内に残ってしまいます。
そのため、副作用が出現する可能性が高くなるので、腎機能が低下している患者さんには使用が推奨されていません。

病状が悪化してくるとモルヒネが使用しにくい場面が多いと思うので、モルヒネをよく使っていると聞いて驚きでした。

食事は人間の生活には欠かせないですが、病気が進行してくると食欲がなくなったり、飲み込みが難しくなったり段々、食事摂取量が減ってきます。

温かい出来立ての食事は好まれそうと思うかもしれませんが、次第に冷たい食事を好むようになるそうですので、温かい食事は避けた方がよさそうです。

普通の食事を食べるのが難しくなったら、ゼリーや果物、アイスなどが好まれるようですが、そのような食事も食べるのが難しくなった時に試してみるといいのが、ガリガリ君と教えていただきました。

https://www.akagi.com/products/garigari/soda_stick.html

あのガリガリ君です。

ガリガリ君氷の粒が小さいため口の中に入れてもすぐに溶けてなくなるので噛む力が弱くても食べることができます。また味もソーダやフルーツなどのさわやかな味が多いため、食欲がなくても食べやすいです。

ガリガリ君は普通の食事が食べれなくなった患者さんにとって、食べやすくて栄養補給にもなるアイスですので、食事で困っている患者さんがいたら勧めてみようと思います。

今回の記事ではホスピス見学で学んだことや感じたことを書きました。

見学で学んだことを患者さんの苦痛を和らげるための治療やケアに少しでも役立ていきます。

この記事を読んでいただいた方々の参考になれば嬉しいです。

参考文献
日本緩和医療薬学会編:緩和医療薬学改訂第2版,南江堂,2023年

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